自己破産・債務整理トップ > 自己破産の資料

自己破産の資料

 これまで解説してきました自己破産の手続きについての資料をのせておきます。差し押さえ禁止財産や取立て行為の規制に関してなど解説についての根拠を確認してみてください。

貸金業者がやってはいけない取立て行為

 債権者は貸金業法によって取立て行為を厳しく取り締まられています。嫌がらせなどのような違法行為をすると厳しい処置がなされ、場合によっては登録抹消となって営業活動ができなくなることも考えられます。業者がやってはいけない取立て行為は次のとおりです。もし、これらに該当するようなことをされたときは、すぐに司法書士などの専門家に相談しましょう。

  • 暴力的な態度をとること。
  • 大声をあげたり、乱暴な言葉を使うこと。
  • 多人数で押しかけること。
  • 正当な理由なく、午後9時から午前8時まで、その他不適切な時間帯に、電話で連絡したり、電報を送達したり、訪問したりすること。
  • 張り紙、落書き、その他いかなる手段でも、債務者の借入れに関する事実、その他プライバシーに関する事項等をあからさまにすること。
  • 勤務先を訪問して、債務者や保証人等を困惑させたり、不利益を被らせたりすること。
  • 他の貸金業者からの借入れまたはクレジットカードの使用により、弁済することを要求すること。
  • 債務処理に関する権限を弁護士に委任した旨の通知、司法書士法第3条第1項第6号および第7号に規定する業務に関する権限を同法第3条第2項に規定する司法書士に委任した旨の通知、または調停、破産その他裁判手続きをとったことの通知を受けたあとに、正当な理由なく支払請求をすること。
  • 法律上支払義務のないものに対し、支払請求をしたり、必要以上に取立てへの協力を要求すること。
  • その他正当と認められない方法によって請求をしたり取立てをすること。

貸金業の規制等に関する法律、金融庁ガイドラインより

ひとりで悩むより、相談してみましょう!
全国からのご相談を受け付け中。土日祝日、夜間のご相談にも対応しています。

無料相談

司法書士谷口宏平事務所

差押禁止財産

 自己破産手続きは清算手続きですから、換価価値のある財産(不動産など)については強制的に処分されてしまうのが原則です。しかし、自己破産をしたからといって、最低限の生活を営むために必要な家財道具などについては、差押さえ禁止財産として、取り上げられることはありません。人間的な最低限の生活は憲法で保障されており、いくら債権者といえどもこれを侵すことはできないのです。以下に差押さえ禁止財産とみなされるものをまとめました。特別に高価なものでないかぎり、家財道具については影響はないといってよいでしょう。ただし、ローンが残っているもの(自動車やパソコンなど)については所有権がローン会社または販売店に留保されているのが通常でしょうから、原則として返却することになります。

  • 整理タンス
  • 洋タンス
  • 洗濯機(乾燥機付を含む)※
  • 掃除機※
  • ベッド
  • 鏡台※
  • 調理器具
  • 食器棚
  • 食卓セット
  • 冷蔵庫(容量を問わない)※
  • 電子レンジ(オーブン付を含む)※
  • 瞬間湯沸かし器※
  • ラジオ※
  • テレビ(29インチ以下)※
  • ビデオデッキ※
  • 冷暖房器具(エアコンを除く)
  • エアコン※
(※印のものが数点ある場合は、1点のみが差押さえ禁止)

平成8年4月からの東京地方裁判所における基準より

ひとりで悩むより、相談してみましょう!
全国からのご相談を受け付け中。土日祝日、夜間のご相談にも対応しています。

無料相談

司法書士谷口宏平事務所

自己破産すると一時的に付けなくなる職業・資格

 自己破産の申立てをした場合、警備員や弁護士、会社の役員などの一定の職業・資格などに一時的に就けなくなります。しかし、ここで気を付けて欲しいのは一生その職業・資格などに就けなくなってしまうという事ではありません。申立てから免責までの約4ヶ月間の間だけ職業・資格などの制限を受け、自己破産の手続きが終われば就業・資格制限はなくなります。例えば、今まで取締役であった者が破産の決定を受けることによって破産者となれば、その取締役は資格喪失により退任することになります。しかしその後、免責の許可を受けることによって、復権し破産者でなくなりますので、その後は取締役に就任することは可能です。

 » 自己破産すると一時的に付けなくなる職業・資格一覧を表示(新しいウィンドウで開きます)

ひとりで悩むより、相談してみましょう!
全国からのご相談を受け付け中。土日祝日、夜間のご相談にも対応しています。

無料相談

司法書士谷口宏平事務所

免責不許可に関する判例

 自己破産の手続きは申立てをして裁判所から免責の許可をもらって初めて借金が全てなくなります。しかし裁判所に申立てれば誰でも免責の許可が下りるわけではありません。免責不許可事由に該当する場合は原則として免責の許可が下りません。しかし、必ず免責を得られないという事ではありません。事情によっては裁量免責や一部免責が認められることがあります。例えば、ギャンブルによる借金は免責不許可事由の1つに当たりますが、ギャンブルによる借金でもそのギャンブルで借りたお金の返済のために、サラ金などから借金をすることにより多額の債務を負うようになった場合には免責不許可事由に当たらない可能性がありますし、買い物や海外旅行も免責不許可事由にあたりますが、必ず免責を得られないという事ではありません。ここでは免責不許可事由に関する判例を紹介します。ここでは免責不許可事由に該当する事実が認められたのに免責や一部・裁量免責が認められた例(判例)の一部を紹介していきます。

1. 免責不許可事由があっても反省の程度を考慮され裁量免責が認められた裁判例

 破産者に免責不許可事由があっても、破産者の不誠実性が顕著でない上、免責の申立てに対し債権者が異議を申立てず、かつ破産者が過去を反省して生活態度を改め、社会人として更生できる見込みが十分にある場合には、免責を許可する(大阪高決平1・8・2日)

2. 借入れの際に債権者に嘘をついて借入れをした場合であっても免責を認めた裁判例

 サラ金からの借入の際の詐術の程度が軽微であるとし、免責が認められた(札幌高決昭61・3・28)

3. 免責不許可事由があっても不誠実性の程度が著しいものではないので裁量免責を認めた裁判例

 破産免責申立人の行為は軽微とはいい難いが、不誠実性の程度は著しいものではなく、免責につき関係者から異議申立のないことなど判示の事情のもとでは、裁量により免責が認められた(東京高決平1・8・22)

4. 借金の原因が住宅購入の為の多額の借入れの場合であっても免責を認めた裁判例

 住宅購入のための多額の借入れは浪費に当たるが、判示の事情のもとで不誠実性が顕著とは言い難いとして裁量により免責が認められた(福岡高決平9・2・25)

5. 借入れの際に職業を偽った場合であっても免責を認めた裁判例

 サラ金業者からの借入れに際し職業を偽ったことのある破産者に対し免責が認められた(大阪高決昭58・10・3)

6. 借金の原因が自動車の買替えの場合であっても免責を認めた裁判例

 プロ野球選手による4台の自動車の買替えは、浪費に該当するが、判示の事情の下では、裁量により免責が認められた(福岡高決平9・8・22)

7. 浪費の事実を認めながらも免責を認めた裁判例

 クレジット会社等に対し合計4,100万円の債務があり、そのほとんどは特定の販売店と共謀した着物などの売買の架空契約によって発生した事案について、裁判所は浪費の事実を認めながらも、販売店に利用された側面があることは否定できない等の事情を考慮して免責決定をなした(岡山地決平8・4・5)

8. すでに支払不能状態で借入れをした場合であっても免責を認めた裁判例

 民宿を経営する個人事業者が支払不能の状態に陥った後に右事実を隠して知人等から借入れをした行為は免責不許可事由に該当する。破産債権のうち、関連する破産事件において配当を受ける機会のあった債権について全部免責を認め、残余の債権についてはいわゆる割合的一部免責が認められた(高知地決平7・5・31日)

9. 借金の原因が飲酒行為及び競輪にあった場合に免責を認めた裁判例

 借金の原因が飲酒行為及び競輪にあった場合でも、本人が病気で労働能力がなく、将来も労働できる見込みがないこと、生活保護を受けていること等を考慮し、裁量による免責が認められた(静岡地決平7・3・6)

10. 借入れの際に支払不能等の破産原因について告知しない場合であっても免責を認めた裁判例

 破産者が単に支払不能等の破産原因事実があることを黙秘して相手方に進んで告知しなかつたことのみでは「詐術ヲ用ヒ」た場合に当らないと免責が認められた(大阪高決平2・6・11)

11. 借金の原因が株式投資の場合であっても免責を認めた裁判例

 株式投資で損失を被った者がその損失填補のために更に株式投資をした結果多大な債務を負担した場合には、破産法375条1号所定の浪費行為に該当する。右浪費行為に該当する場合においても、破産者が自宅を売却してその代金を債務の支払に充てるなど誠実に債務の支払に努めてきたこと等判示の事情の下においては、裁量免責が認められた(東京高決平8・2・7)

12. 特定の債権者だけに返済の事実を認めながらも免責を認めた裁判例

 競艇のための出費により浪費をし、更に破産申立ての際、同僚に対する負債を告知せず、宣告後に取得した退職金のほとんどを右債務の支払に充てた破産者に対し、親族が財団に贈与したこと等を考慮して、いわゆる割合的一部免責が認められた(東京地決平6・2・10)

13. 免責決定後10年以内の免責を認めた裁判例

 2回目の破産宣告後の免責申立てで前回の免責決定後10年以内で免責不許可事由が存在する場合であるが、債務者負担の背景には子供や夫の病気、予想外の夫の失職等の事情があること、前回の免責から10年近く経過していることから免責を許可した(宇都宮地足利支決平8・1・26)

14. 免責決定後10年以内の免責を認めた裁判例

 前回の免責決定からわずか1年で破産・免責申立てがなされたケースで、債権のほとん日掛貸金業者の厳しい取立てに屈して再度生じた債務であることを考慮して、新得財産からの任意配当などを求めえることなく裁量免責を認めた(福岡高判平9・6・13)

15. 会社代表者が業務及び財産の状況に関する帳簿、書類を適正に作成されていなかった場合でも免責を認めた裁判例

 破産宣告を受けた株式会社とその代表者との間に経済的一体関係があり、右会社の破産について、商業帳簿が適正に作成されていないなど破産法375条4号所定の事由が認められる場合であっても、代表者個人の破産については、右事由をもって同法366条ノ9第1号により破産免責を不許可とすることはできない(東京高決平2・12・21)

ひとりで悩むより、相談してみましょう!
全国からのご相談を受け付け中。土日祝日、夜間のご相談にも対応しています。

無料相談

司法書士谷口宏平事務所

新破産法概要

[1] 新しい破産法の個人破産・免責手続きのQ&A

Q1:破産手続きとは,どのような手続きですか。

 破産手続きは,支払不能又は債務超過の状態にある債務者等の財産を破産管財人が換価して,総債権者に対し公平な弁済をする裁判上の手続きです。 なお,破産手続きに付随して債務者の負債を免除するための免責手続きが設けられています。

Q2:なぜ,破産法を見直すのですか。

 破産法は,大正11年に制定され,昭和27年に免責制度を導入する等の一部改正がされましたが,その後は,本格的な見直しがされていません。そのため,手続き全体が厳格にすぎて迅速性に欠け,利害関係人の権利関係の調整に関する規律も現代の経済社会に適合しないとの批判がされています。また,破産した個人の債務者について経済生活の再生の機会を確保するための方策をより一層講ずる必要があると指摘されています。そこで,破産法を全面的に見直すことにしたのです。

Q3:破産法の見直しにはどのようなメリットがあるのですか。

 バブル経済崩壊後,社会経済構造の変化等に伴い,破産事件の件数は増加し,特に,個人破産事件の急増は社会問題化しています。今回の破産法の見直しにより,(1)迅速かつ公正に財産の清算がされるようになり,(2)個人が破産した場合の再起が容易になり,(3)企業が破産した場合の労働者の有する債権の保護も図られる等,国民生活におけるセーフティーネットの拡充が図られることになります。

Q4:自由財産の範囲については,どのような見直しがされていますか。

 破産した場合であっても破産者の手元に残される財産を自由財産といいます。従来の破産法においては,自由財産となる金銭の額については「標準的な世帯の2か月間の必要生計費を勘案して政令で定める額」(66万円)とされていました(平成16年4月1日から)。新しい破産法では,破産者の生活の維持を図るため,標準的な世帯の必要生計費の3か月分に相当する額(99万円)の金銭を自由財産とし,破産者の経済的生活の再生の機会を更に確保することとしています。また,破産者の生活の状況や破産者が収入を得る見込みの有無等の個別の事情に応じて,裁判所が,自由財産の範囲を拡張することができる制度を創設し,破産者の生活の維持を図るとともに,その再起に資するようにしています。

Q5:自由財産の範囲の拡張の裁判によって,どのような財産が自由財産となるのですか。

 自由財産の範囲の拡張が認められる場合としては,まず,必要生計費の不足を補うため,自由財産となる金銭の額が引き上げられることが考えられます。また,そもそも破産者の手元に自由財産の対象となる現金がない場合には,本来,自由財産の対象とされていない預金債権等を自由財産とすることも考えられます。さらに,破産者の生活状況や職種を考慮して,必要と認められる場合には,自動車等を自由財産とすることも可能です。ただし,どのような財産が自由財産となるかについては,裁判所の判断によることになります。

Q6:破産手続きと免責手続きが一体化されたと聞きましたが,どのような点で一体化されたのですか。

 従来の破産法は,破産宣告があった後,破産の申立てとは別に,免責の申立てをする必要がありましたが,新しい破産法では,債務者が破産手続き開始の申立てをした場合には,原則として,当該申立てと同時に免責許可の申立てがあったものとみなすものとしています。さらに,この場合には,破産手続き開始の申立ての際に提出する債権者一覧表を債権者名簿とみなすこととし,別個に債権者名簿の提出を要しないものとして,破産手続きと免責手続きとを申立てにおいて一体化しています。

Q7:破産手続きと民事再生手続きや会社更生手続きとの違いを教えてください。

 破産手続きは,経済的に破たんした企業等の財産をすべて換価し,債権者に配当等を行う清算型の手続きであり,民事再生手続き及び会社更生手続きは,経済的苦境にある企業等について債務の減免等を行うことにより,その経済的な立ち直りを図る再建型の手続きです。

[2] 新しい破産法の目的

 支払不能又は債務超過にある債務者等の財産の適正かつ公平な清算を目的とする破産手続きについて,その迅速化及び合理化を図るとともに手続きの実効性及び公正さを確保し,利害関係人の権利関係の調整に関する規律を現代の経済社会に適合した機能的なものに改める

[3] 新しい破産法の個人破産・免責手続きの要点

 個人の破産・免責手続きの見直し

1. 自由財産(破産者が自ら管理処分し得る財産)の範囲の拡張

 破産者の経済生活の再生に資するよう,自由財産となる金銭の範囲を標準的な世帯の必要生計費の3か月分に拡張するとともに,裁判による自由財産の範囲の拡張を可能とする。

2. 破産手続きと免責手続きとの一体化

 破産手続き開始の申立てがあれば,原則として免責許可の申立てもあったものとみなして,破産手続きと免責手続きとを一体化する。

3. 免責手続き中の強制執行等の禁止

 免責手続き終了までの間の破産者の生活の維持を図るため,免責手続き中の破産者の財産に対する強制執行等を禁止する。

4. 非免責債権の拡張

 特に要保護性の高い生命侵害等による不法行為債権,養育費債権を非免責債権に加える。

5. 裁判所等の免責に関する調査に対する破産者の協力義務の創設

 裁判所等の免責に関する調査を実効性あるものにするため,破産者にこれに対する協力義務を課す。

ひとりで悩むより、相談してみましょう!
全国からのご相談を受け付け中。土日祝日、夜間のご相談にも対応しています。

無料相談

司法書士谷口宏平事務所