自己破産・債務整理トップ > 実際の手続き

実際の手続き

 ここからは上手な自己破産申立て方法として、自己破産を実際に申立ててから免責を受けて、全ての手続きが終わるまでを詳細に解説します。昨年、全国の自己破産申立てのうち、約9割が同時廃止事件(自分名義の土地や建物など、めぼしい財産を持っていない方がとるべき自己破産手続きのこと)ですので、同時廃止手続きの場合を例として1つ1つ詳細に解説していくことにします。この説明を読む前に、まず理解しておいて欲しい事は、自己破産の手続きは裁判所に自己破産申立書を提出して受理された段階で、手続きのほとんどが終了しているということです。自己破産申立後に、裁判官と審尋(面接)がありますが、自己破産申立書、陳述書の記載内容がしっかりしていれば、ほとんど質問されることはなく問題になることはないでしょう。申立書に不備さえなければそれ程大変な手続きではありません。次からの説明を読んでみて大変な手続きになりそうなどと考えずに前向きに検討してください。

自己破産申立に必要な書類の収集

 自己破産の申立をする上で、まず1番最初にすることが申立に必要な書類の収集です。申立てに必要な収集しなければならない書類は大きく分けて2種類あります。

[1] の「債権関係(借金の残高など)の証明書」について

 自己破産の申立て手続きに必要な書類に、債権関係(借金の残高など)の証明書があります。債権関係の証明書というのは、債権者から発行してもらうもので、現在の借入残高などが記載された証明書です。自己破産の申立書と一緒に提出する書類の中に債権者一覧表があります。債権者一覧表には債権者の名前、住所、契約内容、借金の残高などの債権関係が記載事項になります。そのため債権者一覧表に記載した内容が正しいことを証明するために、債権者から発行してもらった債権関係の証明書が必要になってきます。債権者から直接債権関係の証明書を出してもらうのが、最も証拠力が高いのですが、ご自身で自己破産申立てをする場合には債権者はほとんど出してくれません。お金を借入れたときの契約書、督促があったときの通知書なども債権関係の証明書にあたりますが、証拠力としてはとても低いものとなってしまいます。ある程度、債権関係の証明書が揃わないと申立てを受付けてくれない裁判所もありますので、債権関係の情報収集がうまくいかない場合は事前に、経験豊富で自己破産などの債務整理手続きに強い司法書士などの専門家に相談してから手続きを進めたほうがいいでしょう。なお、専門家に依頼した場合には債権者に直接交渉して債権者から債権関係の証明書を出してもらうことになりますので、依頼人は何もする必要がありません。

[2] の「自己破産申立書に添付する必要書類」について

 自己破産申立書に添付する必要書類は各地方裁判所の申立書の内容や申立人の状況によってかなり違いがあります。ここでは一般的な場合の必要書類を以下のリストに記載いたしました。場合によっては家族の分まで集めなければならないこともあります。書類収集に不安を感じるのであれば、ご自分で判断なさるのではなく、司法書士などの専門家に相談してから、実際の手続きを進められたほうがいいでしょう。必要書類の中には集めるのに時間がかかるものもありますので可能な限り早く手続きの準備に取り掛かるようにしましょう。

1. 住民票

 取得後3ヶ月以内で本籍の記載・世帯全員の記載があるものが必要になります。

2. 戸籍謄本

 取得後3ヶ月以内で抄本ではなく謄本が必要になります。本籍地の市区町村役場で取得しましょう。

3. 預貯金通帳のコピー(過去2年分)

 記帳をした後にコピーをとるようにしましょう。

4. 給与明細書のコピー(過去3か月分程度)

 収入を証明する書類として必要となります。

5. 源泉徴収表の写し(前年度分程度)

 前年度の収入を証明する書類として必要になります。

6. 退職金支払見込額証明書

 現在の職場で5年以上勤務している方が、会社を自己都合で退職したとしたら退職金がいくら支給されるかの見込額証明書が必要になります。勤務先に知られずに自己破産の手続きをしたい方は、司法書士などの専門家に相談なさったほうがいいでしょう。

7. 市民税・県民税課税証明書(前年度分程度)

 前年度の収入を証明する書類として必要になります。住所地の市区町村役場で取得できます。

8. 現在の住居の賃貸借契約書のコピー

 現在賃貸暮らしの場合に必要になります。

9. 不動産登記簿謄本または不動産全部事項証明書(各1通)

 申立てる方が不動産を所有している場合はもちろん必要ですが、同居者の所有する建物に住んでいる場合に必要になります。お近くの法務局で取得しましょう。

10. 保険証書のコピー・解約返戻金証明書のコピー

 保険に加入していれば、生命、年金、入院、火災、損害、積立のタイプを問わず保険証券が必要になります。生命保険に加入していて、解約返戻金がある場合は解約返戻金計算書が必要になります。

11. 車検証のコピー・査定書のコピー

 自動車を持っている場合に車検証が必要になります。査定書はディーラーや中古車販売店などで査定をしてもらってください。査定してもらっても、査定金額が出ない場合はその旨をまとめた書面を裁判所に提出しなければならないので、司法書士などの専門家に相談なさった方がいいでしょう。

12. 年金・生活保護受給証明書

 年金や生活保護を受けている場合に必要になります。

13. 確定申告書(写)のコピー

 現在、自営業を営んでいる場合や、前年度に自営で生活していた場合に必要になります。

 一般的には必要書類は以上の書類になりますが、自己破産を申立てる裁判所や家計の状況によっては必要な書類が追加されたり、必要に応じて集めなくてはならない書類がまったく違ってくることもあります。自己破産を申立てる裁判所、あるいは司法書士などの専門家に問合わせてみましょう。

ひとりで悩むより、相談してみましょう!
全国からのご相談を受け付け中。土日祝日、夜間のご相談にも対応しています。

無料相談

司法書士谷口宏平事務所

自己破産申立書の作成

 自己破産申立てに必要な書類の収集が終わったら、自己破産申立書を作成します。
 自己破産の手続きの中で最も重要なのが自己破産申立書一式の作成です。申立書一式は各地方裁判所の窓口でもらうことも可能ですが、申立書は各地方裁判所によって様式が全く異なります。詳細については、自己破産の申立てをする地方裁判所、あるいは司法書士などの専門家に相談してください。ここで作成する書類は、申立書、陳述書、財産目録、家計全体の状況、債権者一覧の5つです。この5つの作成が自己破産の手続きの中で最も重要です。自己破産やその他の債務整理手続きは1度失敗してしまうと司法書士などの専門家でも対処のしようがありませんので、何か不安がある場合は、ご自分で判断なさるのではなく、司法書士などの専門家に相談してから、実際の作成を進められたほうがいいでしょう。では、ここで作成する申立書、陳述書、財産目録、家計全体の状況、債権者一覧表の5つ、それぞれの書類について細かく説明していきます。

1. 破産手続き開始・免責許可申立書

 申立書は各裁判所によって様式が違います。書き方については申立書の内容に従って記入していくような形式になっています。大体の内容は申立人の氏名、生年月日、本籍、住所、連絡先、申し立ての趣旨や理由、申立人の経歴、家族の状況、申立人の収入や生活状況、借金の時期、総額や使途、申立人の財産、債権者との状況などが記載事項です。

2. 陳述書

 一般的に陳述書は申立書の別紙になっていて、破産に至った事情についての詳細を作文のような形式で作成します。申立書の中で一番重要な部分です。

3. 家計全体の状況

 一般的に家計全体の状況は申立書の別紙になっていて、過去3ヶ月分程度の家計の収入及び支出の細かい状況を記載します。

4. 財産目録

 一般的に財産目録は申立書の別紙になっています。不動産、自動車、購入価格が10万円以上のもの、現金、預貯金、有価証券、保険などが記載事項です。自動車などでローンが残っているものについては、所有権はクレジット会社などに留保されていますので、その旨も記載します。

5. 債権者一覧表

 前項の債権関係の情報収集に基づいて作成することになります。債権者の住所氏名、債務総額、借入れの時期、返済した額などを記載します。故意に一部の債権者をはずして記入することは免責不許可事由に該当する恐れがありますので、注意してください。

ひとりで悩むより、相談してみましょう!
全国からのご相談を受け付け中。土日祝日、夜間のご相談にも対応しています。

無料相談

司法書士谷口宏平事務所

自己破産の申立て

 申立人の住んでいる地域を管轄とする地方裁判所で自己破産申立てを行います。
 自己破産の申立ては、申立人の住んでいる地域を管轄とする地方裁判所にすることになります。申立ての際には、作成した申立書一式、債権者一覧表などの債権関係の書類一式、申立書に添付する必要書類一式を裁判所に提出します。ここでは、裁判所での自己破産申立て手続きを流れにそって解説していきます。

[1] 郵便切手(予納郵券)・収入印紙を購入する

 自己破産手続きに限らず、裁判所に各種手続きを申立てる際には、必ず一定の郵便切手(予納郵券)を添付することになっています。これは自己破産申立後に、裁判所が債権者と申立人に書類を郵送する際に使用するもので、それを予め提出するルールになっているのです。郵便切手(予納郵券)は自己破産申立てをする裁判所によって異なりますが5,000円も見ておけば十分でしょう。収入印紙は自己破産手続き分と免責許可分で1,500円が必要になります。

[2] 自己破産申立書一式を提出して自己破産を申立てる

 裁判所の民事部または破産係で、自己破産申立書一式と郵便切手(予納郵券)、収入印紙を提出し、申立てます。これらの書類を提出すると、その場で裁判所書記官が書類に不備がないか、自己破産の要件は満たしているか、免責不許可事由はないかなどを細かくチェックします。問題がなければ自己破産申立ては受理されることになります。ここが自己破産手続きの中で1番大きなポイントです。もし、この時点で裁判所書記官に自己破産は無理だとか、免責は受けられないとして申立てを受理してもらえない場合には自己破産ができないことになってしまいます。もし、自己破産の申立てを受理してもらえない可能性がある場合は、事前に司法書士などの専門家に相談してから手続きを進めたほうがいいでしょう。そして、この時点で申立てを受理してもらうことができれば自己破産手続きのほとんどは終了したといっても間違いありません。

[3] 予納金を納める

 自己破産の申立てで書類に不備がなければ、次に予納金を納付します。申立手続きの際には20,000円程度の予納金が必要になっていますが、これは破産などの公告を官報(政府が発行している機関紙)に掲載費用に充てられるもので、自己破産申立ての際に予納するルールとなっています。

[4] 受理票または受理証明書が交付されます

 予納金を納付し終わると、自己破産の申立てを受付けた旨の受理票または受理証明書が交付されます。

[5] 受理票または受理証明書をコピーして債権者に送付する

 自己破産の申立てを受付けた旨の受理票または受理証明書は、コピーをして各債権者あてに郵送します。自己破産申立てが受理された時点から、すべて債権者のすべての取立ては禁止されますので、司法書士などの専門家に依頼していない場合でも債権者からの取立て行為は全くなくなることになります。 

ひとりで悩むより、相談してみましょう!
全国からのご相談を受け付け中。土日祝日、夜間のご相談にも対応しています。

無料相談

司法書士谷口宏平事務所

裁判官との面接から免責の許可(復権)について

 ここでは自己破産の申立て後の裁判官との面接(審尋)を中心に、申立後の裁判所での手続き(破産の審尋、破産手続き開始決定、免責の審尋、免責許可決定・復権)について同時廃止事件(自分名義の土地や建物など、めぼしい財産を持っていない方がとるべき自己破産手続きのこと)の場合を例として詳細に解説していくことにいたします。これで自己破産に関するすべての手続きは終わりになります。

[1] 破産審尋(1回目の面接)について

 自己破産の申立てが受理された後、裁判官と2回、裁判所によっては1回の面接(審尋)が行われます。その裁判官との面接は、申立後に裁判所から1〜2ヶ月後くらいに審尋期日(面接日)を指定されます(裁判所によっては自己破産申立のときに審尋期日(面接の日)を決めてくれる場合もあります)。破産審尋(1回目の面接)では、裁判官から支払い不能の状態に陥った理由や状況などについての質問を口頭で受けることになります。質問の内容は、すでに提出してある自己破産申立書や陳述書などからです。自己破産申立書、陳述書の記載内容がしっかりしていれば、ほとんど質問されることはなく問題になることはないでしょう。自己破産申立書や陳述書の作成や審尋(面接)に不安がある場合は、事前に司法書士などの専門家に相談してから手続きを進めたほうがいいでしょう。

[2] 破産の決定・同時廃止の決定から破産の確定まで

 破産審尋(1回目の面接)の終了後、申立人が支払い不能の状態であると裁判官に判断されていれば、破産手続き開始決定と同時廃止の決定がなされます。その後、破産者は官報で公告され、2週間経過ののちに申立人の破産が確定することになります。

[3] 免責の審尋(2回目の面接)について

 破産が確定して、しばらくすると裁判所から免責審尋期日(2回目の面接の日)の連絡が入ります。免責審尋期日(2回目の面接の日)は地方裁判所によっても違いますが、破産が確定してから、だいたい1〜2ヶ月後くらいに指定されることが多いようです。なお、免責の審尋の日は債権者にも通知され、債権者から異議申立てをする機会が与えられます。免責の審尋では裁判官から免責不許可事由の有無などについての質問を口頭で受けることになりますが、免責不許可事由がない場合には住所、氏名、生年月日などを聞かれる程度です。自己破産を申立てる裁判所によっては破産審尋(1回目の面接)と免責審尋(2回目の面接)を併せて一緒にするという取扱いをしている裁判所も多くなっています。

[4] 免責の決定から免責の確定(復権)まで

 免責審尋(2回目の面接)の終了後、債権者から異議申立てなどがなければ、免責許可決定がなされます。その後、官報に公告され、債権者などから2週間以内に抗告がなければ、免責が確定(復権)します。ここで初めて税金や慰謝料などの一部の債務の支払い義務を除き、借金が帳消しになり、ローンやクレジットを利用できない点を除き、自己破産申立以前の状態に戻ることになります。以下が免責許可(復権)の効果です。

  • 借金が帳消しになります。
  • 市区町村役場の破産者名簿から抹消されます。
  • 破産手続き開始決定後に得た財産は自由財産といって、貯金もできますし、保険にも入ることができます。
  • 公法上の資格制限から開放されます。弁護士、公認会計士、司法書士、税理士などの資格所有者は業務を再開できます。
  • 保険外交員(保険料を集金する仕事です。保険営業職ではありません)、警備員などの一定の職業に再び就けるようになります。
  • 私法上の資格制限から開放されます。後見人、保証人、遺言執行者などになることができます。合名会社、合資会社の社員および株式会社の取締役、監査役になることができます。
  • 7年ぐらいはローンやクレジットなどが利用できない可能性があります。

 ここまでくればローンやクレジットが利用できなくなることを除き申立て以前の状態に戻ることになります。これで自己破産のすべての手続きは終了です。

ひとりで悩むより、相談してみましょう!
全国からのご相談を受け付け中。土日祝日、夜間のご相談にも対応しています。

無料相談

司法書士谷口宏平事務所